皆殺しの歌、から | パパ・パパゲーノ

皆殺しの歌、から

 高校のブラスバンドに入って、最初に手にした楽器がトランペットでした。映画『リオ・ブラボー』のテーマ曲のひとつ「皆殺しの歌」の旋律にしびれていましたから、何とかそれを自分で吹き鳴らしてみたかった。夏休み前に挫折してしまい、フルートとピッコロのほうにまわりました。1年後で入部してきた呉服屋の坊ちゃん(名前失念)が、中学校のころからトランペットを吹いていたそうで、「皆殺しの歌」を苦もなく演奏してくれました。YouTube で、旋律だけ流れるのを見つけたので、リンクしておきます。お聞きになれば分かる通り、透明感のあるメロディーです。当時は、そら恐ろしい「皆殺し」のテーマのように感じていました。

 管楽器の嫋々(じょうじょう)たる調べを堪能できるのは、マーラーの交響曲第3番の第3楽章です。「ポストホルン」という名前の楽器が使われます。郵便馬車の時代に到着を知らせる合図のホルンというのでこの名前があるそうです。これも、やっと見つけた動画を貼り付けておきます。楽器自体は画面に出てきません。5分50秒あたりから美しい旋律が鳴り響きます。マーラーの3番は演奏時間が長すぎるので、演奏会ではめったにやらないものらしい。

 もうひとつ、こちらはトランペット。ドニゼッティのオペラ『ドン・パスクワーレ』の、エルネストのアリア「かわいそうなエルネスト」のイントロで流れるメロディーも切なくて大好きです。