鳴くよウグイス
「鳴くよウグイス平安京」というのは、794(ナクヨ)年、平安京へ都が移った年代の覚え方でした。
自宅のすぐ前に、広い農地があります。3千坪ではきかないくらい広い、スズキさんちの畑です。農地の北の端(といっても奥行き50メートル、幅150メートルくらい)に雑木林があります。おそらくケヤキだろうと思いますが、みずみずしい薄緑の若葉が青空に向かって伸びています。
その雑木林のそばを通ると、ここ1週間くらい、ウグイスの鳴き声が聞こえるのです。耳を澄ませば、自宅にいても鳴き声を聞くことができます。ホーホケキョと鳴く恋の季節が始まっています。そういえば、少し前、梅の花が満開のころ、ウグイスのような小鳥が花に嘴を突っ込んでいるように見えたものです。鳥の形も名前もまるっきり知らないので、見当をつけただけですが。
日光の山奥のウグイスは、雑音にさらされないので、鳴き声がきれいなんだそうですね。だから、値も高い。このあたりは、しょっちゅう車が通りますから、ウグイスも車の騒音に感化されて澄んだ鳴き声にならないのかもしれません。それにしては、可憐なうつくしい声で鳴いています。
この季節の新緑は、見るたびに元気が出ます。柿の若葉なんて、もいでテンプラにしたらうまそうですもんね。
万緑の中や吾子の歯生え初(そ)むる 草田男
という名句も思い出しました。「万緑」は、この句によって、夏の季語になったのだそうですが、今ごろの若葉を思い出してもかまわないでしょう。コントラストの妙が冴えています。
![]()