光速と加速度
E=mc2 という公式を見たことはありますね。Eはエネルギー、m は質量、c は光の速さを意味する。すなわち、「エネルギーは、質量と光速の2乗の積である」ということをあらわしている。アインシュタインの相対性原理の数式による表現だそうです。と、言われても、ふつうは理解できません。私にも分かりません。
あるとき、立花隆の文章を読んでいたら、光速は定数(1秒に30万キロメートルという、決まった数値)なので、それの2乗も当然定数である。したがって、「エネルギーは物体の質量に比例する」と理解すればよい、と教えられました。それで分かったような気がしました。つまり、「エネルギーというのは物体の重さによって大きくなったり小さくなったりするもんだ」ということです。
じつは、cの値がものすごく大きいので、この公式の意味するところは、エネルギーと質量とは同じものだ、ということなのだそうです。これも、しかし、はあ、そうですか、と応じるしかありませんけれど。
f = mα というのは、高校の物理の授業で習いました。f は力、m は質量、α は加速度。これも、上の式と同じように理解すればよいもののようです。加速度が定数なので、「力は質量に比例する」ということになる。
ここで、慣れない数式の話をなぜしているかと言うと、比例ということなら中学校で教わっているのですから、物理の授業でも、そう説明してもらえていたら、もう少しそっちの事柄も理解できていたのではないか、というナイモノネダリが頭をもたげてくるからです。立花さんは、もともと理科系志向だったそうですから、そういうことも難なく理解して、どんどん先へ進んで行ったものらしい。そういう方だから、この間ノーベル賞を受賞した益川・小林理論の解説を書けたのでしょうね。こういう人がもっとどんどん出てきてもらいたいものです。若ければ、もう一度勉強して自分で説明してみたいくらいです。
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