チェンジリング
チェンジリングというのは、西洋の民話で、「妖精が、さらった子の代わりに置いていった醜い子」のことを指すのだそうです。日本語の訳語は「取り替え子」です。大江健三郎にこのタイトルの短編があったはずです。
行方知れずになった息子を取り戻すため、手抜き捜査をしたらしい警察を相手に奮闘する母親をアンジェリーナ・ジョリーが演じます。無理やり精神病院に入院させられたりする。今年のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。残念ながら、受賞にはいたりませんでしたが。
1928年だったか、カリフォルニア州で実際に起きた事件を映画化したものだそうです。男の子ばかり20人以上が行方不明になり、残忍な事件の犠牲者になるという、おそろしい話でした。
警察が「発見」した少年が、行方不明になった息子だと言い張ります。もちろん、母親がそれを承知するわけがない。この子がつまり「チェンジリング」なのですね。
監督はクリント・イーストウッド。音楽も担当しています。2時間半ほどの長い映画ですが、ミステリーが観客をどんどん先へ引っ張っていくので、長いと感じさせません。後味がいいとは言えませんが、面白い映画ではありました。アンジェリーナの最後のセリフが "hope" (希望)というのが効いていました。
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