ハネムーン・パラリシス | パパ・パパゲーノ

ハネムーン・パラリシス

 ハネムーン・パラリシスという優雅な名前の病気(というか症状)になったことがあります。パラリシスというのは麻痺のことですね。ハネムーンは新婚の時期。花嫁を腕枕で寝かせて、手首のあたりが麻痺してしまう症状。日本語の正式名称は「橈骨(とうこつ)神経麻痺」というものです。今から15,6年前。


 どういう症状か。手首(私が経験したのは左)が上向きに上がらなくなります。野球のグローブを手にはめたとしても、ボールをキャッチできなくなりました。ダランと下がったまま。「ドロップ・ハンド」とも言うらしい。ビタミン剤(B)を服用しながら、電気刺激をかけて徐々に機能が回復するのを待つのでした。2ヶ月ほどかかったような記憶があります。その後、もう一度同じ症状に見舞われました。今でも、重い中華鍋を持ち続けていると、手首がグニャッとなって、取り落としそうになります。キャッチボールをするのは不自由しません。しませんが、グローブをはめる機会のほうが無くなりました。


 「橈骨神経」というのは、上腕の裏側(力こぶができるちょうど真裏あたり)で、骨にピッタリくっついているのだそうです。そこを無理に圧迫すると、神経が損傷して、その先のほうが麻痺してしまう。


 新婚でもないのに、なぜそんな病気になったか。酔っ払って電車に乗って寝入ってしまった。一番はじっこの席で、横になった鉄のパイプに腕を乗せて、その上に頭をおいて、50分くらい寝ているあいだに、圧迫されて機能を失ったものでした。飲みすぎると、こういう失敗をやらかします。飲み助の皆さんは気をつけましょうね。


 おそらく男に多い症状だと思いますが、女でも十分起きる可能性はあります。飲んでいなくても、不自然な圧迫を続ければ起きるはずです。


しょぼん        しょぼん        しょぼん        しょぼん        しょぼん