正常値と異常値 | パパ・パパゲーノ

正常値と異常値

 養老孟司先生の『かけがえのないもの』(新潮文庫)にこんな話が出てきました。
 
 血圧の平均を測ると、最高血圧が120くらいのところに行く。つまり上の血圧の数値の人数のピークがそのあたりに来るということです。それ以上の値が出た人は「高血圧」ということになって、降圧剤を投与されたりすることになる。 


 大学のセンター試験の成績も、たくさんの受験生の平均値(標準偏差)は、真ん中あたりにピークが来ます。しかし、そのへんの点数しか取れなかった受験生は医学部に進学するのはまず無理だ、ということになります。ところが、数値だけを見れば、これは、血圧が200とか300だというのと同じことではないか、とおっしゃるのです。
 
 そういう人が医者になって、血圧180の人を「あなたは高血圧です」と言っていることになる。「先生が医者になっているほうがおかしい」と言ってやるべきではないか。
 
 このことを述べた節の見出しは、
 
 アタマは平均を外れろ、身体は平均に寄れ
 
となっています。


 この本は、先生が前から書いていらっしゃる、人間はどうしても「脳中心の社会を作りたがる」、それを「都市化」と呼ぶのですが、その話で一貫しています。この見出しは本書の端的な要約になっています。
 

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