エディット・マティス
ソプラノの知的な透明さということでは、このエディット・マティス(Edith Mathis, 1938- )が断然すぐれていると思います。これは、1986年の(おそらく)東京公演の録画。伴奏は小林道夫。ようやくYouTube で見つけました。
マティスは、『フィガロの結婚』のケルビーノ(東京で演じたときのCDがあります)、スザンナ(カール・ベーム指揮のCD;私の愛してやまない一枚)、どちらも素敵な歌声です。オペラ歌手としても名声はたしかなものですが、宗教曲を歌わせたら右に出るものがないくらい上手です。モーツァルトの『レクイエム』(ベーム指揮)もなんども聞いていますが、「レコルダーレ」や「ベネディクティス」のソプラノを聴いていると、夢見心地がしてくるようです。
ブラームスの『ドイツ・レクイエム』もすばらしいものでした。このビデオでもお分かりのとおり、歌曲もみんな素敵です。シューベルトのリート集もCDがあります。
今は、現役をしりぞいて、ウィーンで音楽大学の先生をしているはずです。窓の外からでも、授業風景を覗き見したくなります。スイスのルツェルン出身のようです。
