ペットは飼わない
小学生のころ、ウサギの世話をしました。家を出ると裏がいちめんの田んぼでしたから、餌にする草を刈る場所はいくらでもありました。クローバーとか、スカンポとか。今でも、鎌で草を刈るのはできます。なんのためにウサギを飼っていたかといえば、育ててそれを食べるためでした。毛皮は冬のチョッキのようなものになった。ツミレのようにして食べたのを覚えています。味は忘れました。
同じころ、ヤギも飼っていた。むろん、これも乳をしぼったり、肉を食べたりするのが目的だったはずです。朝、農業用水用の小川の岸辺につないでおき、夕方、ヤギのための粗末な小屋に連れて帰るのが、私の仕事でした。ある日の夕べ、つないであった鉄の杭(1メートルほどの長さで上部が輪っかになっていて、先端が尖っている)を抜いた途端にヤギが動き出して、足首の内側の肉がゴッソリこそげとられたことがあります。スネの骨が見えるくらい削り取られました。いまでも傷跡が残っています。このヤギは、ほどなく病気になったらしく、急速に弱って、ある日死んでしまったようです。夜中に父親が、町のはずれの皆瀬川(雄物川の支流)に捨ててきたらしい。死んだ姿は見ていません。
ニワトリの世話を始めたのは、中学生になってからだったか。セリや他の草を刻んで、とうもろこしの干したのが入ったニワトリの餌(買ってきたもの)を混ぜて食べさせる。卵を毎日産みましたから、これは面白かった。正月近くに1羽をつぶして雑煮の具にしていました。
ネコでもイヌでも飼う気があれば飼えるでしょうが、ペットを飼うという感覚がもともとないものだから、気持が向いたことがありません。どうせ飼うなら、子どもの時のように、いずれ食べられる動物がいいような気がしています。と言ったって、ブタを自宅で飼うわけにもいかないし、ウシならなおさら駄目でしょうし。
ブタを1頭ほふるさまを逐一撮影したテレビ番組を見たことがあります。どこか、東欧の国で撮影したものだったと思う。初めからおしまいまで、10歳くらいの少女がじっと見つめているのも一緒に映していました。まいにち食べているウシやブタが、生きている様子から肉になるまでを見せてくれる番組というのは、日本では無理なんでしょうかね。あったら、ぜひ見てみたい。
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