タイプライター
旧東ドイツでは、1977年から国内の自殺者の統計を取るのをやめた。ある劇作家の1年間に買う靴の数は調べているのに。という告発文が西側の週刊誌『シュピーゲル』に掲載されます。1980年代後半の話。
この記事をめぐる攻防がクライマックスへ導く映画が、2007年にアカデミー賞外国映画賞を取った作品『善き人のためのソナタ』です。原題は、Das Leben der Anderen; The Lives of Others(他の人たちの人生)というものでした。
シュピーゲル誌の編集長(?)が極秘裏に東ベルリンに入国して赤い文字しか打てないタイプライターを書き手に渡します。それでタイプした原稿を、もう一度やってきた同じ人に渡します。あとで、そのタイプされた原稿が、東側の国家保安省(シュタージ)の手に入る。タイプライターの文字から筆者を特定しようとする、これも一種の筆跡鑑定が行なわれます。1回しか使わなかったタイプライターをどこに隠すか、それこそ命がけの攻防が続きます。逮捕されて、隠し場所を告白せざるをえなくなったひとりが、おそらくは自発的に車に飛び込んで命をなくします。
しかも、「他人の生活」を逐一盗聴している、シュタージのスパイがすぐそばにいる。
文章を書いて発表することが、しばしば命を賭けた行為である時代が、つい最近まであった、ということが説得ある映像で展開されています。今でも、そういう国は少なくないはずですが。
映画館で見ることがなかったので、DVDを借りてきて見ました。2度も見てしまいました。秀作です。
この記事をめぐる攻防がクライマックスへ導く映画が、2007年にアカデミー賞外国映画賞を取った作品『善き人のためのソナタ』です。原題は、Das Leben der Anderen; The Lives of Others(他の人たちの人生)というものでした。
シュピーゲル誌の編集長(?)が極秘裏に東ベルリンに入国して赤い文字しか打てないタイプライターを書き手に渡します。それでタイプした原稿を、もう一度やってきた同じ人に渡します。あとで、そのタイプされた原稿が、東側の国家保安省(シュタージ)の手に入る。タイプライターの文字から筆者を特定しようとする、これも一種の筆跡鑑定が行なわれます。1回しか使わなかったタイプライターをどこに隠すか、それこそ命がけの攻防が続きます。逮捕されて、隠し場所を告白せざるをえなくなったひとりが、おそらくは自発的に車に飛び込んで命をなくします。
しかも、「他人の生活」を逐一盗聴している、シュタージのスパイがすぐそばにいる。
文章を書いて発表することが、しばしば命を賭けた行為である時代が、つい最近まであった、ということが説得ある映像で展開されています。今でも、そういう国は少なくないはずですが。
映画館で見ることがなかったので、DVDを借りてきて見ました。2度も見てしまいました。秀作です。