ことばあそびうた
谷川俊太郎に『ことばあそびうた』という本があります。福音館から1973年に出ています。瀬川康男という画家の挿絵が入っているカラー版の薄い本でした。日本傑作絵本シリーズというシリーズの1冊。続編も出たようです。
このブログで花のことを話題にするときに、テーマ「花の名なあに」というのは、この本から借りたものです。お気づきの方はお気づきでしょうが。こういうの。
はなののののはな
はなのななあに
なんなんなのはな
なもないのばな
みんな、たしかひらがなで続け書きにしてあったと記憶しています。漢字に直すとこんなふうになるのでしょう。
花野の野の花
花の名なーに?
なんなん菜の花
名もない野花
それぞれタイトルもついていたはずですが、忘れました。手元に本がなくなってしまったので、いまたしかめようがありません。こんなのもよく口ずさんだものです。
やんまにがした
ぐんまのとんま
さんまをやいて
あんまとたべた
谷川さんがどこかで書いていましたが、これらの詩を作っているときには、まだ、日本語の逆引き辞典がなかったので、ひとつ作るのにもずいぶん時間がかかったのだそうです。今では、何種類もの逆引き辞典が出ていますから、少しは楽になっているかもしれません。
『日本語逆引き辞典』(北原保雄編)で、「~んま」のところを引くと、こうなっています。
あんま[按摩] えんま[閻魔] けんま[研磨]
げんま[減摩] コンマ[comma] さんま[秋刀魚]
「とんま、ほんま、まんま、れんま」、なども並んでいます。英詩では、脚韻(rhyme)を踏むことが多いので、早くから英語の「ライミング・ディクショナリー」というものができているようです。今では、コンピュータのプログラムで割合簡単にこういう辞書が作れるらしい。やれと言われても私にはできませんが。
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