ポニョ | パパ・パパゲーノ

ポニョ

 宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』という映画が評判ですね。『となりのトトロ』にはホトホト感心しましたが、他の作品はかけちがって見ていません。このタイトルがひとり歩きを始めたらしい。内舘牧子のエッセイで、「肘の上のポニョ」というのが話題になっていて、婦人の二の腕のたるみのことをそう言うんだとか。


 ある程度お年を召した女性は、この「二の腕問題」に直面するもののようです。いくらエクササイズに励んでも、こればかりはどうにもならない、と嘆きの声を聞いたこともあります。「振袖」とも言うようですね。いくら飾って言っても、事態が好転するものではないところがつらい。「気にするな。それが好きな男も少なくないのだよ」(じっさい少なくないと思いますよ)などと言っても、何の慰めにもならないのだそうです。


 よく売れる女性誌の編集をしていた30代の男性が、あるとき、「いつまで、『今年こそ、夏が来る前に、二の腕のたるみを取ろう』などという特集をやっているんだろう」と気がついて、その出版社を退職してしまった、という話を聞きました。


 内舘さんは、「腰の上のポニョ」とか、他にも関連する体型表現を並べていますが、そういうふうに言い換えがたくさんできるのは、元のタイトルが卓抜であったというシルシでしょう。まだまだ観客を動員するだろうと見ています。


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