ジャック・アンド・ベティ | パパ・パパゲーノ

ジャック・アンド・ベティ

 中学校へ入ったのが昭和32(1957)年でした。もう50年以上も前になりました。英語という科目を初めて習うことになりました。教科書は Jack and Betty です。開隆堂という出版社が発行していたもので、当時は全国的にこの教科書で英語の学習を始めたものです。レッスン1は見開きに、こういう文が並んでいました。


 【左ページ】         【右ページ】
 I am a boy.      I am a girl.
 I am Jack.       I am Betty.
 I am Jack Jones.  I am Betty Smith.
 
 ジャックというのは、ジョンやジェイコブという男名前の愛称なのだそうです。ベティはエリザベスの愛称。
 
 続きのレッスンの内容はもう覚えていませんが、アメリカ文化礼賛一色というべき内容でした。ついでに言えば、高校で習った教科書も開隆堂発行のものでした。どちらで知ったのか忘れましたが、誕生日かなにかのパーティの案内状の文言で今も記憶しているのがあります。
 
 Refreshments will be served at 3 p. m.
 (軽い食事が3時に出されます)
 
 リフレッシュメントという単語を、その後見たり聞いたりしたことがないので、どのくらいの頻度で使われるのか分かりません。
 
 1988年に、清水義範『永遠のジャッ&ベティ』(いま講談社文庫)という作品が発表されました。30年後のジャックとベティが偶然出会うという設定で会話が進行します。これが抱腹絶倒のやりとりです。
 
 「オー、何という懐かしい出会いでしょう」
 「私はいくらかの昔の思い出を思い出します」
 「あなたは一人ですか」
 「はい。私は一人です」
 「一杯のコーヒーか、または一杯のお茶を飲みましょう」
 「はい。そうしましょう」
 
 こういう「直訳」調から抜けることができなくなって、延々と会話が続くのですが、シュールな味わいが珍無類です。


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