負けん気 | パパ・パパゲーノ

負けん気

 オリンピックに出場するくらいの選手は、運動能力がずば抜けて高いのは当然にしても、人一倍負けん気が強くなければ出場権を得るところまではいかないでしょう。今日からはじまったレスリングの試合(女子)を見ていると、勝敗が決まったあとで、レフェリーが両者を引き寄せ、勝者の腕を上に上げますが、負けた選手のなかで、そんなのもいやだ、という表情をロコツに見せるのもいます。負けた悔しさがにじみ出ていました。


 負けん気が強いだけでは、勝ち上がっていけません。技術や駆け引きのうまさなども、決め手になるようです。


 もうひとつ、負けてしまう選手を見ていると、「気持ちのやさしさ」が表に出たために負ける、ということもあるようです。卓球の福原愛選手なども、それがあるために落としてしまう試合があるような気がします。レスリングでは、浜口京子選手にそれを感じます。今度は出ていませんが井上康生選手にも同じような「やさしさ」を感じていました。むろん、それを克服して勝ち上がっていくのを見るのも、オリンピック見物の面白さですが。


 糸井重里さんだったか、だれかのこと(自分のことだったかもしれません)を評して、「負けん気が弱い」と言ったことがあります。負けん気の強さはアスリートにとっては大切な資質でしょうが、社会生活を営む上では、「弱い」くらいにしておくのがいいのかもしれません。


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