赤塚不二夫
長いこと病床にあると伝えられていた赤塚不二夫さんがとうとう亡くなりました。この人は漫画家として空前にして絶後と言うべき存在でした。手塚治虫や長谷川町子という巨星によく伍して、オモシロ漫画で一世を風靡しました。
「おそ松くん」「もーれつア太郎」「天才バカボン」と、シリーズになった漫画は、どれも傑作でした。画面に登場するキャラクターの多彩さがつよく記憶に残ります。
「シェーッ!」のポーズを流行させたイヤミの名セリフ「おフランスざんす!」は、底の浅い西欧崇拝を一蹴する迫力がありました。
これらの連載漫画の登場人物ではなかったかも知れませんが、黒目の少年、服部竜之進の博学・多識も印象的でした。バカボンのパパも、素直な性格がよかった。
いつも道をほうきで掃いている、レレレのおじさん、ケムンパス、うなぎイヌ、などのキャラクターもおもしろかった。
すぐにピストルをぶっぱなすおまわりさんが出てきましたね。エキセントリックな目をした、特異な人物。この警官は、ずっとあとになって、「じつは、趣味で交番をやっているのだ」と告白しました。このときは、ぶったまげました。
順天堂病院で亡くなったのですね。享年七十二。