将棋名人戦
今週火曜日(15日)夜10時からのNHK「プロフェッショナル」は、「将棋名人戦スペシャル 森内俊之VS羽生善治」と題した1時間番組でした。今期の名人戦は、羽生の4勝2敗で、名人位に返り咲いた一戦です。そればかりでなく、この名人位によって、羽生は通算5期名人ということで、第十九世名人の資格も得ました。
数ある将棋のタイトル戦の中でも、名人戦の過酷さは群を抜いています。Aクラス10人の総当り戦を勝ち抜いた一人が、時の名人と7番勝負を戦い、先に4勝したほうが、その期の名人になる。これが毎年繰り返されます。
私程度の将棋ファンでも、このAクラス(A級順位戦と呼ばれる)に名前を連ねる将棋棋士の名前はすべて知っています。そうして、この10人がとてつもなく強いということも。さらに、その下にB級1・2組、C級1・2組と4クラスもあって、そこで100人以上もの棋士がしのぎを削っているのです。みんな、天才です。
その頂点を極めたのが名人です。1回だけ、あるいは2期名人になった棋士も少なからずいますが、5期(以上)名人をつとめ、永世名人を名乗ることができる(できた)のは、この制度が始まってからでも、わずかに6人しかいません。
木村義雄十四世名人に始まり、大山康晴、中原誠、谷川浩司、森内俊之、そして羽生善治の6人。中原誠・十六世以下は現役の棋士ですから、永世名人を名乗るのは、引退して以後のことになるようです。
ひしめく天才たちの中でも、羽生善治の名前は、将棋になじみのない人でもご存じだろうとおもいますが、森内俊之という名前はあまり聞いたことがないかもしれません。この、羽生と同い年の棋士は、なんと羽生より先に永世名人位を獲得しているのです。
小学校4年生のときから、勝負をしてきた二人が、番組では順番に登場して、自分について、相手について語るという映し方をしていました。一方は、ついこの間までの名人ですから、なんらかの配慮が働いたのでしょうが、同じ場面で語り合うシーンも見てみたかった。盤面に向かいながら思考を集中していく様子が何度も出てきました。二人とも、その姿は(いつものことながら)美しいものでした。
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