イタリア語ミニ辞典
イタリアの駅の地下道の表示が、sottopassaggio(ソットパッサッジョ) とありました。sotto は、音楽用語で「ソット・ヴォーチェ(かすかな声で)」というのがあるので、その「ソット」だろうと見当を付けます。後ろの部分は、きっと英語のパッセージ(道)でしょうから、この組み合わせの意味は何だろう、と疑問が生じました。
持っていった辞書は、オクスフォードの『イタリア語ミニ辞典 Italian Minidictionary 』というものです。伊英・英伊の両方ある辞書。と言っても、サイズは文庫本の半分強、厚さはさすがに35ミリほどもありますが、題名どおり、ミニ辞典です。
さっそく、sotto を引くと、below; lower; underneath などとなっています。つまり「下」ですね。じつは、うろ覚えの「ソット・ヴォーチェ」は、「やわらかな声で」でしたから、「ソット」は英語の「ソフト」だと、思い込んでいたのでした。ソフトにあたるのは、もう少し面倒な単語でしたね。「ソット・ヴォーチェ」という楽譜の指示は、だから、「低い声で」なのですね。あるいは、「小さな声で」か。思い入れの表情を付ける指示ではなかった、そのことに気がつきました。
6年前に1120円で購入したこの小辞典は、じつに重宝なものでした。街を歩いていて、看板の文字は分からないので、この辞書で引くと、たいてい出ていましたから。今では、電子辞書の便利なものが何種かあるようで、旅行に持っていく人もたくさんいるでしょうが、紙の辞書に親しんだ年代なので、やはり、活字で確かめたくなるのです。それに、電子辞書はまだまだ高価です、学習人口が比較的少ない言語の辞書の場合はとくに。
六十の手習いで、NHKラジオの「イタリア語講座」にも何度か挑戦したのですが、なかなか思うにまかせません。今年から、開始時間が早まって、聞きそびれることが多くなりました。ぼちぼちやる他ありませんね。
![]()