落書き | パパ・パパゲーノ

落書き

 連日、フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の映像がテレビに出てきます。言うまでもなく、最近バレた日本語の落書きのせいです。「(フィレンツェの)ドゥオーモ」という名前のほうが通りがいいはずですが、舌を噛みそうな正式名称で紹介されています。
 
 薄い緑と乳白色の大理石を組み合わせた壁面の美しさにはいつ見ても、テレビ画面でも、目を見張らされます。6年前にも見物しましたが、そのときは、表面の汚れが目立って、写真でみるほどではないなあ、と思ってしまいましたが、この何年かのあいだに洗浄したのだろうと思います、あざやかな景観をよみがえらせていました。
 
 レンガ色のドーム(クーポラと言っていました)が、フィレンツェのランドマークなわけで、まあ、どこからでも見えます。そのてっぺんに登ることができるので、480数段の石段を登ってみました。「おのぼりさん」というのは、これでしょうかね。360度市内が見渡せるのでいい気分になります。そのてっぺんのまわりの石壁にも落書きを見たような気がします。日本語だけではありませんよ。
 
 ジョージ・ルーカスの出世作のタイトル『アメリカン・グラフィティ』の「グラフィティ(Graffiti)」は、「(柱や壁に傷をつけて書かれた)掻き文字(絵);(壁などの)落書き」という意味ですね。しかも、イタリア語起源です。だからでしょうか、英語としては珍しく「グラフィーティー」とフィを強く発音する単語です。
 遺跡で言えばポンペイの落書きが有名です。昔からやっていたのですね。だからと言って、今でもやっていいということにはなりませんが。
 
 それよりも、びっくりしたのは、市内を走る地下鉄の車体の落書きでした。あるいは、鉄道の駅の(倉庫や事務所のような)建物の壁に描かれた落書き。どちらも、スプレー・インクで「カラフル」に描いてあるけれど、美しいとは言えませんでした。


クローバー        クローバー        クローバー        クローバー        クローバー