イタリア、トイレ事情 | パパ・パパゲーノ

イタリア、トイレ事情

 イタリア旅行のガイドブックには、都市で公衆トイレを見つけるのはむずかしいので、どこにでもあるバール(Bar;酒もコーヒーも食べ物も出す一種の喫茶店)に入って、なにか注文し、そこのトイレを使うのがよいと書いてあります。その通りでしょうが、ただ、オシッコだけしたいのに、さらにコーヒーを飲む、あるいは、水(結構高い)を飲むのも面倒です。


 フィレンツェのシニョーリア広場は、ヴェッキオ宮殿(いま市役所)と、そばにウッフィーツィ美術館がある、一番観光客の多い場所ですが、公衆トイレは、たしかに見当たりません。意を決して、よくテレビ番組で出てくるバールの1軒に飛び込んで、レジのおじさんに「トイレを使わせてください」と申し出たら、「どうぞ」と気軽に応じてくれました。もちろん1ユーロ置いてトイレの場所へ直行。そのまま「グラーツィエ」とか言って出てきました。どこでもこの手が使えるか否かは保証できませんけれど。


 鉄道の駅のトイレは、ローマでも、フィレンツェでも、ミラノでも、有料でした。大体、ひとり1回50セント(1ユーロの半分)です。70セントのところもあった。日本の地下鉄の改札口みたいに、通せんぼをしているパネルのようなものが両側に開き、そこを通過してトイレ空間に達します。そのためには、50、70セントを手前の受け口に入れる。1ユーロ入れたらおつりが出てくればいいのに、それがダメ。50セント硬貨(あるいは10、20セント、1、5セントを料金分)を入れないと扉が開かない。(ついでながら、ローマとミラノのメトロの駅のトイレも有料だった。)


 そばに、1ユーロをこまかくしてくれる両替の機械がありました。普通はちゃんと動くのでしょうが、あるとき、1ユーロ入れたのに、小銭が出てこなかった。そのあとご婦人が入れようとしたので、「動きませんよ」と忠告したのですが、なんと、その人の分はちゃんと出てきました。1ユーロ損をした。おまけに、汽車の発車時刻が迫ったので泣く泣くホームに移動しました。それなのに、乗るべき汽車は10分遅れて到着したのでした。ガマンガマン。汽車のそれは、昔の日本式(穴から枕木が見える)でした。


 もちろん、立派な公衆トイレもありました。ローマは水の事情がよいのでしょうか、ナヴォーナ広場の近くにあった(地下の)公衆トイレは、係のお兄さんが一人常駐しているのに無料。市営なのでしょうね。ヴァチカンのサン・ピエトロ寺院のトイレ(向かって左側の郵便局の隣)も清潔で、無料でした。


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