スカラ座の『椿姫』 | パパ・パパゲーノ

スカラ座の『椿姫』

 念願のスカラ座(ミラノ)でオペラを聴いてきました。6月12日(木)、現地時間夜8時開演、終ったのが12時近くでした。

 だしものは『椿姫』です。ジェルモン役のレナート・ブルーゾン以外は、初めて聞く歌手たちです。ヴィオレッタはマリエッラ・デヴィーア、アルフレードはホセ・ブロス、フローラがダミアーナ・ピンティ、アンニーナにベルナデッテ・ルカリーニ。イタリア・オペラの世界ではいずれも名の知れた歌い手のようです。マリエッラは 1946 年生まれだそうですから、もう還暦か。ブルーゾンはそれより年寄りです。しかし、歌唱は遅滞なく進行し、よい演奏会でした。指揮はカルロ・ロンターノという人。オーケストラはチラシには出ていないけれど、もちろん座付きでしょう。

 合唱曲が多いオペラでもありますが、スカラの合唱団のすごさに感嘆しました。合唱指揮はブルーノ・カゾーニ。付け加えれば、演出はリリアナ・カヴァーニ。劇中の、ジプシーの踊り、闘牛士の踊りも素晴らしいものでした。これもスカラのバレエ団。自前で全部揃えてあって、総力で公演をしているのが分かります。舞台装置も豪華絢爛。ヴィオレッタの家に置かれたビリヤードの台が、奥のほうが幅が広く作ってあって、遠近法としてはヘンなのに、ごく自然に見えたのが不思議でした。

 CDやDVDで何度も聞いた作品ですが、やはり生の舞台はひと味もふた味も違うものでした。「総合芸術」としてのオペラを堪能しました。


 席は、ギャラリー2の231番。こう書けば、いらっしゃった方はお分かりでしょうが、てっぺんの「天井桟敷」です。座っていては舞台がよく見えないので、他の人の邪魔にならぬように立って、前の観客の頭越しに見下ろしていました。


 スカラ座のチケット売場は、劇場から歩いて4,5分の、ドゥオーモ広場の地下にありました。昼休みが12時から2時まで。2日前に行ったら、チケットがあるにはありましたが、1階だか2階(イタリアでは地上階が0階で、2階は日本の3階にあたる)の左脇バルコニーで、なんと4万円くらいもする。1枚がですよ。あきらめて帰りかけたら、外にいたおじさんが声をかけてきました。ダフ屋です。言いなりに払いましたが、それでも1枚1万円近い値段。当日も、ダフ屋が(劇場のそばに)2,3人いましたから、さすがは『椿姫』と妙に感心しました。こんど行く機会があったら、迷わずネットで予約購入するつもりです。


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