ジャングルの掟 | パパ・パパゲーノ

ジャングルの掟

 ある人のブログに、「作り話だとしてもよくできている」として、おおむね次のような話が引用されていました。


 中国人のワンさんを秋葉原へ案内したら、テレビを買いたいということになって、店頭に見本で出ている、他人の手垢のついたそのテレビを買う、と言い張るのだそうです。新品を宅配便で送ってもらえばいい、と言ってもきかない。これと同じ(ちゃんと映る)テレビが来る保証はないし、途中で部品が盗まれるかも知れないし、運転手が確実に届けてくれるか信用ならないし、断固このテレビを買って自分で持って帰る、ということだった、という。


 これは日本でなら笑い話ですが、じつは、このワンさんのような考えがグローバル・スタンダードである、とそのブログの筆者も、コメントする人たちも書いていました。昔(と言っても50年前くらい)の日本でも、ワンさんタイプのほうが多かったと思われます。


 この話を、ある方に紹介したら、昔ボリショイ・バレエ団の踊り手たちも、東京公演を終えて大阪に移動する新幹線に、ほとんどみんな、秋葉原で買った、大きな電気製品の箱を手に持って乗り込んでいた、と教えてくれました。


 そう言えば、これももう30年前くらいに、商社にいる友人からこんな話を聞いたことがあります。フランスだかで買い付けたワインをシベリア鉄道経由でナホトカに運び、船で新潟港まで届けることになった。タンク車両1両分のワインが、出発の駅ではワインだったのに、到着したら全部水に化けていたのだそうです。


 世界のたいていの地域では、「ジャングルの掟」にしたがって人々が生きている、と認識しておいたほうがいいのだそうです。電話注文の後払いで、相当高額の商品でも翌日に家に届く仕組みができた現代の日本は、そういう人々の目にはほとんど桃源郷と映るのではないでしょうかね。


いちご       オレンジ       さくらんぼ       バナナ       いちご