もてない男 | パパ・パパゲーノ

もてない男

 もてる男と言えば、ブラッド・ピットのように、大勢の美女が行く手をふさいで身動きがとれない(ような)男を普通はイメージします。日本人では、たとえば作家の伊集院静が代表か。夏目雅子が最初の奥さんで、京都の芸妓佳つ乃さんを恋人にし、今の奥さんが篠ひろ子ですよ。艶福家というのはこういう人を指すのでしょうね。
 
 たいていの男は、しかし、自分はもてない、と思っているはずです。だまっていれば向こうから女が寄ってくるはずなのに来ない、というのがそもそもの勘違いです。
 
 小谷野敦の『もてない男』(ちくま新書)は、10年ほど前、ベストセラーになりました。こういうタイトルなのに、読めばもてるようになるかと期待した読者が多かったからでしょうか。実際に小谷野さんが書いたのは、「自分が好きな人に好きになってもらえない」男(この場合は作者本人)を「もてない男」と呼んでいました。それも、いい気なもんだと思いましたけれど。
 
 さいわい、小谷野さんは、二度目の結婚をしたそうです。それも20歳くらい年下の人と。ある人を、尊敬の気持をもって好きになることを英語ではアドマイアと表現するようです。ファンと言わずに「アドマイアラー」と言う場合があります。その、アドマイアラーの女性と結婚したのだから、小谷野先生も立派な「もてる男」になったということです。おめでたいことですね。
 
 男と生まれたからには、一度くらい、群がり寄る女たちを振り払ってみたいものだと、見果てぬ夢を見ているところであります。


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