受胎告知
「受胎告知」というテーマのキリスト教絵画はものすごくたくさんありますね。最も有名なのはフラ・アンジェリコのそれ。フィレンツェのサン・マルコ美術館(もと修道院)の階段を上がったすぐの2階にかかっていました。
最近日本でも展覧会があったと思いますが、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」は、同じくフィレンツェのウッフィーチ美術館にあります。
新約聖書のルカ伝1:26以下の物語にもとづいているのだそうです。羽根の生えた大天使ガブリエルが、マリア(このときはまだヨゼフの許婚なのですね)のもとに神様からつかわされて、「おめでとう、あなたは神の子を身ごもったのです」と言う。言われたほうはそれはびっくりします。「なぜでしょう、わたしはまだ男を知らないのに」と書いてありました。敬虔なマリアはわりとすぐに事態を受け入れます。
画家たちの描くこのシーンからは、だれの絵の場合も、静謐な緊張とでも言うべき空気がただよいます。ユリの花が添えられることが多い。純潔や無垢を象徴するのだそうです。
絵の主題としての「受胎告知」はこれを指しますが、このことばを文字通りに、すなわち、「妊娠のお知らせ」という意味で使って、「わたし赤ちゃんができたみたい」と告白する場面の出てくる日本の小説を、まことに上手にからかってみせた、というより、文学批評の新機軸をうちたてた、と言ってもいいのが、斎藤美奈子著『妊娠小説』(ちくま文庫)です。抱腹絶倒の一篇です。

最近日本でも展覧会があったと思いますが、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」は、同じくフィレンツェのウッフィーチ美術館にあります。
新約聖書のルカ伝1:26以下の物語にもとづいているのだそうです。羽根の生えた大天使ガブリエルが、マリア(このときはまだヨゼフの許婚なのですね)のもとに神様からつかわされて、「おめでとう、あなたは神の子を身ごもったのです」と言う。言われたほうはそれはびっくりします。「なぜでしょう、わたしはまだ男を知らないのに」と書いてありました。敬虔なマリアはわりとすぐに事態を受け入れます。
画家たちの描くこのシーンからは、だれの絵の場合も、静謐な緊張とでも言うべき空気がただよいます。ユリの花が添えられることが多い。純潔や無垢を象徴するのだそうです。
絵の主題としての「受胎告知」はこれを指しますが、このことばを文字通りに、すなわち、「妊娠のお知らせ」という意味で使って、「わたし赤ちゃんができたみたい」と告白する場面の出てくる日本の小説を、まことに上手にからかってみせた、というより、文学批評の新機軸をうちたてた、と言ってもいいのが、斎藤美奈子著『妊娠小説』(ちくま文庫)です。抱腹絶倒の一篇です。
