慣用読み
「消耗」を「しょうもう」と読んだり、「洗滌」を「せんじょう」と読んだりすることを、一般に「慣用読み」と言います。ほんらいは「しょうこう」、「せんでき」なのだそうですが、「しょうもう・せんじょう」の慣用が定着してしまったものだといいます。
「輸入」の「輸(ゆ)」は、もとの音は「しゅ」だということですが、これも「ゆ」で定着しました。「くらべると少し劣る」ことを、むずかしい漢語で「一籌(いっちゅう)を輸す」ということがありますが、こっちは、むしろ「いっちゅうをしゅす」と読む場合が多いかもしれません。辞書には「いっちゅうをゆす」という読みも出ています。
ところで、漢字の熟語で、もうひとつ「慣用読み」と説明されるケースがあります。
夫婦(ふうふ) 夫子(ふうし) 富貴(ふうき)
詩歌(しいか) 披露(ひろう)
保元(ほうげん) 享保(きょうほう)
などの、母音の部分がそうだといいます。たしかに漢字一字の読みのときは伸ばさないのに、これらの熟語に限っては1音(専門的には1モーラと呼ぶ)増えます。他にも、春夏秋冬をまとめて示す場合の四時(しいじ)などもあります。
こっちも「慣用読み」の仲間に入れるのはいささか無理があるような気がしています。なにか他の適当な名前がついているのかもしれません。