お姫さま女優 | パパ・パパゲーノ

お姫さま女優

 子どものころに見た映画は筋もシーンもみんな忘れています。淀川長治のように、ねえやにおんぶされて見に行った映画の情景を覚えていられるのは、よほどの異能というべきです。


 たまたま、『紅孔雀』というタイトルを思い出しました。何度も映画館(当時は東映系・東宝系・日活系の系列館が田舎の町にもありました)に出かけたことを覚えています。


 「goo 映画 」という便利なサイトで調べたら、記憶とちょっと違っていました。


 『新諸国物語 紅孔雀』というのがタイトルです。ほかに『新諸国物語 笛吹童子』というのもあって、こちらは第一部、第二部、第三部までありました。これを見に、何度か行ったのでした。週代わりか月代わりかだった。次回作が早く見たくて待ちきれなかった。おどろくのは、この4作品がいずれも1954年1年の封切であることです。私は小学校4年生だったことになる。京都・太秦の撮影所は今では観光名所のひとつですが、当時は沸きかえっていたのでしょうね。


 昭和20年代の東映の時代劇は、今の目から見れば荒唐無稽のようなオハナシを映画にして、全国の少年たち(少女たちはあんまり行ってなかったような気がします)の夢をふくらませてくれていました。スターたちが綺羅星のごとく輝いていた時代です。


 筋は忘れても、スターの名前はほとんどフルネームで覚えています。


 中村錦之助・東千代之介・大川橋蔵、それに悪役としては、吉田義夫・月形龍之介


 大友柳太朗・市川右太衛門(北大路欣也の父上)・片岡千恵蔵の名前もはずせません。女優の名前もすぐに覚えました。


 千原しのぶ・高千穂ひづる・桜町弘子・丘さとみ・大川恵子


 桜町以下の3人が、「三大お姫さま女優」と呼ばれた。大川恵子の名前はじつは忘れていました。早くに女優をやめて家庭に入ったのだそうです。面長の美人ですが、好みじゃなかったということもあります。小学生のくせにナマイキなものですねえ。


 男優は大方あちらに行きましたが、女優たちは、つい最近まで映画に出た人もいて、みなさんお元気なのだと思います。


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