高橋洋一
池田信夫さんのブログ で紹介された、高橋洋一著『さらば財務省!』という本を読みました。これがめっぽう面白かった。
東大の数学科を出て(後で経済学科も出て)、その気もなかったのに大蔵省に入ったキャリア官僚が、自分のやった仕事について回想したものではあるが、正しいと思って建議したり、通達を出したりすることの多くが、通例とバッティングしてしまって、最後は官僚の世界からはじき出されてしまいます。「お家の流儀」になじめなかったようです。この4月から東洋大学の教授になるらしい。
小泉改革とか、竹中路線とか言われた政策のうちの大きなこと(郵政民営化・道路公団民営化・公務員制度改革、など)のほとんどは、この人なしではできなかった事情が詳しく書かれています。こういうサムライを排除してしまうシステムはちょっと情けない。
民主党は「天下りの全面的禁止」を唱えているらしい。諸悪の根源天下り、のように言われているので口当たりはいいけれど、著者に言わせればその案は噴飯ものなのだそうです。能力が高くないか、高める努力を怠った官僚を、全部定年まで国が面倒見ることになるから、かえって税金の無駄使いになってしまうという。それよりも、天下り先の賃金を世間並みにすること、年功序列(入省年次の順番でポストも給料も決まること)をやめること、など、実態を見た上で改革を進めるべし、と、ごく当たり前に聞こえることを主張します。そうであるのに、袋叩きにあったのだという。
つい1年前の政治の裏舞台が白日のもとにさらされます。官僚たち(及び官僚上がりの政治家たち、過去官僚と呼ばれる)の抵抗やいやがらせにはウンザリしますが、著者の筆致に未練がましいところが微塵もないので、読後の印象は意外にさわやかなものです。
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