糟糠の妻 | パパ・パパゲーノ

糟糠の妻

 小倉千加子さんのコラムで、ポール・マッカートニーの離婚慰謝料から、日本のことに話が飛んで、「糟糠の妻は堂より下さず」という精神がまだ残っているので、日本の妻のほうが地位が安定している、というように結んでありました。「下さず」は「くださず」とも「おろさず」とも読むようです。


 「糟糠の妻」なんて久しぶりに目にしました。「糟」は酒カス、「糠」は米ヌカのことですね。転じて粗末な食事のこと。貧乏な時代を共に過ごした妻であるから、夫が仮に富貴栄爵の地位に登っても、追い出すようなことはしない、というような意味だそうです。「堂」の意味がよく分かりません。表座敷をそういうとも言います。裏の座敷が「室」です。「母堂」「内室」というように、家にいる女の、位による呼び分け方にもそれが反映しています。


 もちろん、出典は中国の古典です。日本語の中でもずいぶん古くから使われていたようですが。


  たしかに、名声を得た人が、最初の奥さんと別れて、若い女優などと再婚すると、「糟糠の妻を捨てた」などと、ヤッカミ半分の悪口を書かれることはあります。どうしたって同情は糟糠の妻に集まることになる。


 英語にはこんな表現はないでしょうね、おそらく。


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