亡き王女のためのパヴァーヌ
モーリス・ラヴェルが作曲したピアノ曲 のタイトルです。サンソン・フランソワの弾いたラヴェル・ピアノ作品集の解説記事によれば、1899年パリ音楽院在学中の作品。パヴァーヌというのは、古い宮廷舞曲ということです。
この曲によってパヴァーヌという舞曲が長く残ることになるでしょう。ギターの曲にもこのタイトルがついたものがあるそうです。
ゆっくりした2拍子です。ドーレシラソーと始まり、フレーズの結びに、ソドシラーというメロディーがくりかえされます。
12年後に、作曲者自身がオーケストラ用に編曲しました。今では、こちらのほうを聞く機会が多いと思われます。最後のメロディーが弦楽器で演奏されるところは、しみじみと亡き人をしのぶのにふさわしいおもむきがあります。もちろん、ピアノで聞いてもすばらしい。
亡き王女というのは、一説では、ルーブル美術館にある、古いスペインの肖像画に描かれた皇女を指すと言われます。その絵から霊感を得て作曲したという。
そういう来歴を忘れても、この魅力的なタイトルに導かれて、美しい挽歌を聴くのは悪くありません。フランス語の原題 Pavane pour une Infante defunte を直訳しただけですが、日本語の響きも捨てがたいものがあります。
なお、いま調べたら、infante は、「(スペイン・ポルトガル王の長女以外の)王女」のことを指すのだそうです。
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