いただく
テレビはいまやお笑いとうまいものさがしで満杯です。毎日どこかのチャンネルで「まさに絶賛の一品!」と叫んでいます。
「食べる」と言えばいいところを、丁寧に言おうとして「いただく」が大はやりです。
「このお肉は生でもおいしくいただけます」などと言う。「食べられます」でいいはずなのに。
「この魚は生よりも酢でしめるとおいしくいただけます」「いしちゃんは、さっそくいただいています」「シンプルにいただいちゃいます」「ここではみなさん塩ダレでいただきます」などなど。もうオンパレードですね。
量に対して値段が手ごろの場 合は、「お食べどく」などと言う。さすがに「いただきどく」とは言えないらしい。
「食う」だと丁寧さが足りないので「食べる」ができたものでしょう。使っているうちに「丁寧さ」が擦り減ってしまったと感じられるのでしょうね。そこで、本来は、謙譲語である「いただく」がとって代わってしまいました。
自分で食べるときなら「いただく」でなんにもおかしいことはありませんけれど。
せっかくうまそうな食べ物が映っているのに、「いただく」の連発が聞こえるものだから、注意が言葉のほうに行ってしまって、索然とさせられてしまいます。