ハモる | パパ・パパゲーノ

ハモる

 合唱することも「ハモる」という場合がありますが、ここで話題にしたいのは、和音を響かせることです。ハ長調ならド・ミ・ソを一緒に鳴らしたときに聞こえるトニックの和音、ソ・シ・レのドミナント、ファ・ラ・ドのサブ・ドミナントの和音などがうまく調和したときに「ハモった」と言っています。


 小学生のころ輪唱というのをやりませんでしたか? 「静かな湖畔の森のかげから もう起きちゃいかがとカッコーが鳴く」というの。2小節ずらして始めると自然に二部合唱になっていきます。知っている人は少ないでしょうが、「ほーら 鳴いている お庭に鈴虫が リリリリ リーン リリリリ リーン」という、短調の輪唱は、大勢でやるとちょっと感動的な三部合唱になったものでした。


 中学生や高校生の合唱団がよくやったのは、シューマンの『流浪の民』でしょう。「ぶっなあの もっりーの はっがーくれに うったーげ ほっがーい にぎわしや」と行くの。ドイツ語でツィゴイナーレーベン(ジプシーの生活)というタイトルなんだそうです。こういう曲が面白くなってくると、ハモる楽しさに入れ込むことになります。


 仕上げというか、一度はみんな歌ってみたくなるらしいのが、かの、「第九交響曲・合唱つき」です。わたしは何年か合唱にいそしみましたが、この曲は歌ったことがありません。


 人の声の和音がピッタリ決まったときは、倍音がいくつも聞こえます。倍音の物理学的定義はむずかしくてよく分かりませんが、今出している音よりオクターブ高い音や、そのまた3度上の音が聞こえます。じつに気持のいいものです。ランナーズ・ハイというものに負けないのではないか。クワイヤーズ・ハイとでも言っておきましょうか。