落合博満
今年の日本シリーズは中日ドラゴンズが制しました。最近プロ野球を見なくなったので、遠い噂として聞くだけでした。それでも、第5戦、完全試合を成し遂げそうになっていた山井大介投手を、9回に交代させたというので、落合博満・中日監督が囂囂たる非難を浴びたことは知っています。玉木正之さんでも、落合のワルクチを書いていました。
今出ている『週刊文春』で、落合が説明しているのを読むと、交代は山井のほうから言い出したことのようです。指から血を流しながらそれまで投球していたのだそうです。
ふつう、完全試合目前のピッチャーに、降板を命じるような ことはしません。落合非難の声のなかに「落合はピッチャーの気持が分かっていない」というものがあったそうで、それに対して、「分からないよ、そんなもん」と応じています。記憶に残すべき名言です。
今年の流行語のなかに「KY」というのがあって、「空気が読めない」ということを指すらしい。そんなものを読んでどうしようというのだろう、と私はかねて思っています。そんなことだからあんたはKYなんだ、と言う声が聞こえてきそうですが、かまうことはない。
山本七平に『空気の研究』という本がありました。「空気」に押されて、ずるずる戦争を拡大していった昭和10年代の日本の様子を描いたものだった。その本を読んだせいもあって、「空気」に鈍感になろうとしたのかも知れません。