肘で指揮 | パパ・パパゲーノ

肘で指揮

 映画『アマデウス』で、トム・ハルス演じるモーツァルトが、オペラ『後宮からの誘拐』の指揮をするシーンがありました。国王が真正面に座っている前のオーケストラ・ピットで。


 興が乗ってきたところで、両肘を張って、交互に上下させる指揮をしたのを覚えていますか? マーチふうのテンポのところだと、そんなことをやってみたくなるのかなあ、と思いながら見たことでした。ふつうは、そんな指揮はしませんね。


 この、肘で指揮する姿を見たのは、私には、ともかくこの映画が初めてでした。


 この間聞いたショスタコーヴィッチの演奏会で、井上道義さんが、これをやりました。いつかやってやろうと待ち構えていたのか、もともとこういう指揮をする人なのか、井上さんの指揮を演奏会場で見たのは初めてなので、そこはよく分かりません。踊り出したくなるメロディー、テンポはあるのですから、自然に身体がそのように反応したのでしょう。この前書いたように、楽しさ一杯の演奏会ではありました。


 そう思ってみるせいか、つい最近、テレビで、さあどこの指揮者だったか、西洋人の顔をした指揮者が、やはり、あの、キース・ヘリングの絵に出てきそうなスタイルで指揮をしているのを見ました。アソビ心の発揮は、あちらでもこちらでもあるものなのですね。