リー・アイアコッカ | パパ・パパゲーノ

リー・アイアコッカ

 『アイアコッカ:わが闘魂の経営』(単行本、ダイヤモンド社;新潮文庫)は、アメリカの自動車会社、フォードとクライスラーの両方の社長をやった、リー・アイアコッカ(1924年生まれ)の自伝です。英語のタイトルは Iacocca: Autobiography とシンプルきわまりないものでした。日本語訳は徳岡孝夫です。安心して読むことができます。


 日本で言えば、いわばトヨタと日産の両社の社長をやったようなものですから、経営手腕は衆目の認めるところであったのでしょう。自伝の刊行は1980年代ですから、60歳になったばかりのころです。いま、83歳で健在のようです。


 いっとき、アメリカ大統領になるか、と噂されたこともありました。


 フォード社というのは、創業者フォードの一族が実権を握っているのだった、と思う。憤然としてやめることになるのですが、フォード家(だったか、当時の社主だったか)を、口をきわめてののしっているところがありました。


 この本で強く印象に残っている言葉。


 一瞥では分からない人の性格が二つある。その人が決断力があるかどうか、怠け者であるかどうか。


 ほかは、一度会って話をすれば分かる、と豪語しているのですね。


 ないものねだりですが、本書に出てきてもいいのに、出てこない話題が二つあります。


 女はこの世に奥さんしかいないように書いてあった。そんなはずはあるまいと思いながら読んだ記憶があります。もうひとつは、名前からしてもイタリア系ですが、マフィアというものの片鱗も出てきません。