斎藤喜博 | パパ・パパゲーノ

斎藤喜博

 斎藤喜博(さいとう・きはく、1911-1981)という教師の名前は、まだ人々の記憶から消えてはいないと思います。去年の今頃『斎藤喜博物語』(小笠原洽嘉著、一茎書房)という本も出ています。


 1960年代、群馬県佐波郡島村の島小学校の校長でした。島村は、現在は伊勢崎市に入ったようです。日本一有名な小学校長でした。今の言葉で言えば、「カリスマ校長」です。教育実践のユニークなところが注目されて全国から視察の教師たちが絶えなかった、と伝えられます。


 たくさんの著述を残しました。2期にわたる全集が出ています。国土社刊。


 第1期の全集の何冊かが家にありました。読者を鼓舞する力のある文章だったと思います。今でも、教師をこころざす学生は、読んでいるでしょう。と思いたい。


 斎藤校長は、部下というべき教師たちを、たしか、すべて「さん」付けで通していたと記憶しています。分校へ出かけるときに、若い女教師から届け物を頼まれて、きがるに用足しに応じていました。そういうことも、著書に書いてあったのです。


 のちに、宮城教育大学に招かれて教授になりました。


 短歌もたくさん詠んでいます。その特異な性格と、強靭な実践力とについては、上に挙げた『物語』が活写しています。