教科書ガイド
高等学校の英語や国語の教科書に、ガイドという名前の参考書があります。昔は「虎の巻」と呼びました。それを見ると免許皆伝というくらいのご利益がある、という触れ込みからきたあだ名ですね。
英語と、国語の古典・漢文とには、訳文がつくのが定番です。定期考査の前日に一夜漬けでやっつける人は、このガイドの訳文を頼りにするのでしょう。
ガイドという名の参考書は、自分の使っている教科書のそれだということがひと目で分かるように、教科書の写真を表紙に出しています。たいていは、教科書会社と関係の深いところが出します。
もう何年も前ですが、英語の教科書を編集したことがありました。おそろしく労力のかかる仕事でした。
生徒たちがガイドを買うのは、おそらく主として、そこに載る訳文のためだと考えて、それなら、教科書自体に訳文を載っけてしまえば、手間もお金も省けるのではないか、と考えました。文部省(当時)が出している、作成の手引きを読むと、どこにも訳文をつけてはいけない、とは書いてありません。
考えただけで、結局実行はしなかった。そんな教科書を採用してくれる先生はいない、ということが明らかだからです。
生徒の多くは、どうしても一度日本語を通さないと、意味が理解できた気がしないのですね。さっさと理解して、それを使った練習の方に授業時間を当てるほうがいいはずなんですけれどね。英語教育の専門家たちだって、それを勧めています。そういう実践をなさっている先生方も少なくないようです。
今でも、若い人で上手な英語使いはたくさんいますが、これから、もっと増えてくることを期待しています。