仏手柑
近所の蕎麦屋に行ったら、出窓にカボチャほどの大きさの黄色いかんきつ類が置いてありました。帰りしなに尋ねたら、「柚子です」という返事。鼻を寄せて匂いをかいだら確かにかすかに柚子の香りがしました。それにしても大きさがすごい。観賞用の柚子なのでしょうね。
小林古径(こけい)という日本画家がいました。1884年生まれ、1957年没。東京芸術大学教授でした。上半身裸身の婦人が、紺色の縞の着物を着たひとに長い黒髪を梳いてもらっている、『髪』という絵が、ずっと前に切手になったことがあったと思います。
歴史物語を題材にしたもの、動物・植物を描いたもの 、能の舞台を描いたもの、など、凛呼とした気品にあふれる絵画をたくさん残しました。出身地、上越市に小林古径記念美術館というのがあるそうです。まだ訪れたことはありませんが。
東京・竹橋の国立近代美術館に、古径作『仏手柑』という小品が常設されています。30センチ四方に納まるほどの絵です。この、黄色というか、橙色というか、うすい青地に浮かぶ、ミカンの色が昔から大好きです。この絵の前に立つと、その瞬間、盗人になろうかなという、イケナイ心的状態になります。
仏手柑(ぶっしゅかん)は、生食はできないのだそうです。木になっている様子を一度は見たいと思っていますが、どこで見られるのでしょうね。