フェミニスト | パパ・パパゲーノ

フェミニスト

 今では「フェミニスト」と言えば、フェミニズムを推進する人、昔ふうに言う「女権拡張論者」のことを指すのが一般的になりました。


 私が若い頃、つまりフェミニズムという言葉がなかった頃ですが、もちろん「ウーマン・リブ」というのもなかった頃、フェミニストという言葉が意味したのは、


 (見かけによらず)女にやさしい男


ということでした。「あいつ、ああ見えても意外にフェミニストなんだよ」というふうに使った。見た目は、ぶっきらぼうで、女にも乱暴な口をききそうだけれど、じつは、あしらいが丁寧で、というような。「見かけによらず」が該当しない男にも、もちろん使うことは使ったけれど。


 ですから、女のフェミニストというのはいなかった。いつも引く『明鏡国語辞典』に、語義番号の①は現在の意味が出ていますが、②として、


 女性を大切に扱う男性


も出ています。この定義だけだと、世の男の少なくとも半数はフェミニストということにならないかしら。あくまでも印象を言っているのですから、これを読んでいる女の方々はどうぞお気になさいませんように。


 フェミニズム、フェミニストに対して、マスキュリニズム、マスキュリニストという言葉はありません。言葉はないけれど実体がそうではないか、というところから、運動としてのフェミニズムは始まったのでしょうから、なくて当然ですけれど。