南高梅
紀州の梅干は、さすがに名産地らしく、旨いのが多いですねえ。向田邦子は、引き出しに丸に「う」という貼り紙をして、口にしてうまいと思ったものを片端からメモして投げ込んだといいます。「う」は「うまい」の「う」です、もちろん。
向田は、そのメモから引き出して、「梅干 田舎漬」(中田食品)について書いたことがありました。もう、30年くらい前になると思いますが、デパートの食品売場で偶然目にしました。すぐさま買い求めて、家で食べた。うすい塩味で、フニャヌニャ柔らかい。しかし、ほのかな甘みがたまらない。
以来、冷蔵庫にないときはない、と言いたいところですが、梅が不作の年(も、しばしばあるらしい)の田舎漬けは、高すぎて手を出すのをはばかりました。と言っても、一番高いときで、キロ4000円くらいだったか。ですから、うちにはあったりなかったりします。現在は貰い物であるのです。相変わらずいい味です。
じつは、自分でも何度か梅干を漬けました。このあたりの、漬け梅の品種は「白加賀(しらかが)」ですね。苗木を買って植えていますが、10年たっても実を少ししかつけません。
スーパーで「南高梅」の黄色いのを、季節になると売っています。これ、「なんこうばい」とは読まず、「なんこううめ」なんですってね。チャンスがなくてそれはまだ漬けたことがない。赤ジソを塩でアク出しして、漬かった梅酢に入れたときの劇的な色が見たくて、何度もトライしました。
中田食品(紀州)は、ネットで見つかります。便利になりましたねえ、と、また言います。いま、梅干をつまみにして焼酎を飲んでいます。幸せです。(これを書いたのはじつは11日です。)