セヴィリアの理髪師
ロッシーニの『セヴィリアの理髪師』も、堂々たる傑作ですね。私が言うまでもないけれど。聞いているのは、レヴァイン指揮、EMIのCDです。ロジーナをビヴァリー・シルズが歌っています。男の歌手たちもみんな上手です。
このCDの表紙の写真が、どこにでもある床屋の椅子です。理髪師というのは「床屋」でよかったはず、というのはいつかもこの日記に書きました。
このオペラは、ボーマルシェが3部作として書いた劇が元になっています。3部作の最初。次が『フィガロの結婚』です。3番目がオペラになっているか否かは知りません。
アルマヴィーヴァ伯爵、フィガロ、バルトロ、バジーリオ、と、『フィガロ』に出てくるキャラクターが皆出てきます。ロジーナはこの後、伯爵夫人になるわけです。
最初に、『セヴィリアの理髪師』を作曲したのが、ジョヴァンニ・パイジエッロ(1740-1816)という作曲家。1782年。モーツァルトが『フィガロ』を作曲したのが1786年。順番になっています。
ロッシーニは、モーツァルトが35歳で死んだ(1791年)次の年に生まれました。そして、パイジエッロが亡くなった年(1816年)に、『理髪師』を作曲したのだそうです。この時24歳。道理で、全編、若さの横溢したような鮮烈な音楽です。重唱曲がことのほか美しい。
舞台を見ずに音楽だけを聞いているので、だれとだれが登場する場面なのか分からなくなります。それでも耳は十分楽しんでいます。