夢の中へ | パパ・パパゲーノ

夢の中へ

 井上陽水に「夢の中へ」という歌があります。


 夢の中へ 夢の中へ 行ってみたいと思いませんか ウフッフー


という歌詞でした。そう言われても、どこへ行ってみるのかしら、と思ったことでした。


 黒澤明監督に『夢』〔1990年)というオムニバス映画がありました。短編8本から成っていた。監督自身の夢からヒントを得て作ったもののようです。これこそ、「夢の中へ」行ってみた映像です。


 トンネルの中を、軍隊が行進するシーンのザックザックと響く靴音が印象的でした。もうひとつ、ひな祭りのひな壇が、そのまま小高い桃の山になっていて、ひな人形がきれいな着物を着て動くシーンも、つよく記憶に残っています。キツネが花嫁衣装を着た「きつねの嫁入り」のような映像もありましたかね。


 筒井康隆にも、夢を題材にした短編小説があったような気がします。


 私もよく夢を見ます。目覚めても覚えていることが多い。人に語ったり、映像にして残したくなったりするようなものではありません。


 夢の中でよく訪れる、温泉旅館があります。坂道を登って、その旅館の玄関前で、道が左に曲がるのまでいつも出てきます。2歳くらいの子どもの頃に、温泉町に住んだことがあるので、その頃の記憶が残ったかもしれません。実際に、そういう風景があったというのではありませんが。


 人には言わない、と言いながら、こうして書いています。コワイ夢にもパターンがありますが、思い出したくもないので、やめておきます。