研ぐ
菜切り包丁や果物ナイフをときどき研ぎます。中砥と仕上げ砥を使う。砥石は、今は自然石ではなくて合成したものです。うっかり落としたらパッカリ割れてしまいました。だましだまし使っています。
ステンレスの包丁でもキチンと研ぐと、切れ味が劇的に向上します。ネギを小口切りにしたり、りんごの皮をひとつなぎに剥いたりして喜んでいます。
そういう実用的な目的があるわけですが、じつは、研ぐことに集中することで、なんというか、精神が静まってくる感じがあります。仕事に忙殺されているころ、あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ、と、ストレスが極限にまで高まるような時に包丁を研ぐと、なんとかうっちゃることができるような気になったものです。
編み物を趣味にしている男の人達を見かけたことがあります。細かい手仕事にたずさわる人々でした。共感を覚えましたね。
いまは「米を研ぐ」ことが少なくなりました。無洗米という、ヘンな名前の米が出回っていますから、ざっと洗えばよい。お米を研ぐのも、包丁を研ぐのとおんなじ効果があったような気がします。