辞書代わり
本を作る仕事では辞書が欠かせません。国語、漢和、英和、和英、などのことばの辞書。百科事典、現代用語の基礎知識、などもそばにないと不便です。
ときには、ブリタニカ、ラルースなどの大百科事典も引きました。
日本でいいものがないのは人名辞典です。戦前の軍人の名前をしらべようとしても、手がかりさえない場合が多かった。
戦前に平凡社だかから出た「大人名辞典」が、つとめていた会社にありました。年号が紀元で出てくる(昭和16年が紀元2600年というように)ので読み替えが面倒でしたが、武士も軍人もたくさん載っているので助かった。
日外アソシエーツというところが有料でやっている、ネット上の人名辞典も使いました。これも人数は多くない。
渡部昇一先生がよく言及なさる、イギリスが誇る人名辞典 DNB(Dictionary of National Biography) のような辞書ができれば便利だろうなあ、といつも思います。大事業だから、今からでは無理かもしれませんが。
事件や人名を調べるのに重宝したのは、高校生用の歴史の教科書です。『詳説日本史』と『詳説世界史』(山川出版社)。一度買い換えたけれど、36年間かならず辞書と並んで机の上にありました。もちろん今でも。