白雪姫 | パパ・パパゲーノ

白雪姫

 英語教科書の指導書というものの校正をしていたら、グリム童話の白雪姫が出てきました。白雪姫の継母である女王が、鏡にたずねるシーンです。


 Mirror, mirror on the wall,

 who is the fairest one of all?


これは、「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのはだれ?」と訳されます。あるときまで、この鏡は「女王だ」と言っていたのに、今では「白雪姫だ」と言う。おこった女王は、猟師に命令して、姫を殺してその肝臓をもってこさせようとします。殺すにしのびない猟師はイノシシだかの肝を持ち帰る。


 また、鏡に聞くと、やっぱり「白雪姫だ」と答えるので、まだ姫が生きていることを知る。


 この女王さまは、がんぜない娘のほうが自分より美しいと言われてヤキモチを焼くのですね。世界で2番目に美しいということでしょうに、何が不足なのでしょうか、と、読んでるじいさん(私のことです)は思う。


 母と子とが、美貌という点で張り合ってしまう、ということがあるのでしょうか。(白雪姫自身は別に比べっこはしてないわけですが。)これは、どちらがきれいでも、微妙な問題をはらむような気がします。グリムの童話は、そこを拡大したかたちで示しているとも言えそうです。