ザ・シューター/ 極大射程
スティーヴン・ハンターの小説『極大射程』(新潮文庫)は、ヴェトナム戦争帰りの射撃の名人、いまはFBIの部員、ボブ・リー・スワガーが巨悪に立ち向かう趣向で、手に汗にぎる展開を見せます。ハンターの小説は、翻訳で読んでも、スピード感あふれる文章が素敵でした。
マーク・ウォールバーグがスワガーに扮した新作映画『ザ・シューター/ 極大射程』が今公開中です。舞台設定や話の筋は原作と変えてあるようですが、その、超人的な射撃の腕前を見込まれて、ある、とんでもない計画に加担させられます。そこは原作と同じ。上役を演じるダニー・グローバー、上院議員役のネッド・ベイティなど、脇役に芝居上手を配していました。
映画の原題は、ただ Shooter だけですが、小説の訳題とあわせたらしい。
マーク・ウォールバーグは、儲け役を得たようです。ブルース・ウィリスのジョン・マクレーンのように、連作が作られる予感がします。
見どころは、やはり、冷静な銃さばきです。1000メートルくらい離れた人の頭を一発でしとめるための、風の向き、気温などの諸元を微調整するあたり。また、ナパーム弾や、手榴弾のような火器も、バカスカ爆発します。すっきりします。
ネタばれにならないようこの程度にとどめておきます。