左利きの指揮者 | パパ・パパゲーノ

左利きの指揮者

まえがき:この一つ前の日記は今日19日の朝に書いたものです。日付が18日になってしまったのは、昨夜写真の取り込みだけしておいて、朝書こうと取っておいたもの。保存した時刻が表示されるのですね。1日飛ぶのもシャクな気がして、もう1本書きます。松井秀喜の連続出場記録維持の感じを追体験しているような。


 「シベリウス交響曲全集&管弦楽曲選集」という5枚組のCDを持っています。指揮者はパーヴォ・ベルグルント(Paavo Berglund)。EMIクラシックス。


 紙の箱入りで、表に指揮者の指揮する様子の絵が印刷されていますが、指揮棒を左手に持っています。あんまり見たことがないカタチです。こういうときは、グーグルに聞いてみます。


 左利きをメインな話題にしたサイトがあって、ご丁寧に、NHKのヴィデオを写真にとって載せてくれてありました。日本語字幕が「パーヴォ・ベルグルント」と読めるので、左手の指揮棒はたしかなことでした。


 若い頃、所属した合唱団の指揮者、イシカワさんは、字を書くのは左でした。左利きの人がよくするように、(鉛筆ならその芯を)手前に向けて器用に書き進めるのを見たことがある。しかし、彼も指揮棒は右手に持っていた、と思います。


 ベルグルント(ベルグルンドと記されることもあります)が、このアルバムを主として演奏するヘルシンキ・フィルの首席指揮者になったのが1962年、33歳のときだそうです。


 フィンランドの作曲家シベリウスの作品は、フィンランドのオケとフィンランド人の指揮者で聞くとやっぱり素敵なものです。音楽自体は普遍的なものですから、あんまり、国を強調するのはよいことではないかもしれません。まあ、安心して聞くことができるのはたしかです。


 シベリウスの交響曲は、日本では2番が好まれてきました。私も始めて聞いたのはスウェーデンのオーケストラの2番です。これを聞くと、その当時の感情がたちまちよみがえるほど印象深い曲です。


 シベリウスには、番号のついている交響曲が7曲もあります。その他に「クレルヴォ交響曲」というのもあるし、交響詩「フィンランディア」もある。メロディーの美しさと、和音の重厚さ(ばかりではないけれど)とが際立っています。最初はちょっと暗鬱な音がするように聞こえますが、その暗鬱なところも含めて全体を貫くのは、青春が持つ、むせ返るようなロマンティシズムだと思います。


 最近繰り返し聞いているのは3番です。第2楽章のアンダンティーノが素晴らしい。弦楽器のピッツィカートに乗って管楽器が奏でるメロディーは、霧が晴れていく湖でゆっくり舟に揺られているような気にさせます。