野球特待生
少年のころ、スポーツは「やる」ものでした。野球、水泳(川で)、スキー、卓球、なんでもやった。上手ではなかったけれど。
野球にはとりわけ熱中しました。昭和30年代の少年たちは、ひとり残らずと言ってもいいくらい野球に夢中でした。
ラジオにかじりついて高校野球の実況放送も聴きました。板東英二・村椿輝雄(ウィキペディアで「輝雄」であったと知りました)両投手が18回投げ合って引き分けた、歴史的一戦も、最後まで聞いていました。中学2年だった。いつか甲子園というところで試合をしてみたい、と、身の程知らずの夢をみていました。
いまでは、テレビで野球を観戦しています。大リーグに、たくさんの日本選手が出場し、毎日その試合が見られるなんて、昔なら思いもよらなかったことです。楽しみが広がってまことにいい気分です。
高校野球の選手たちの多くが、授業料免除だったということで問題になっていますが、いまさら何を言っているのだろうと思います。
400校近くが特待生の扱いをしている、と報道されました。タバコを吸ったり、酒を呑んだり、そのほかのワルサもしたりすると、出場辞退をするのだから、野球憲章に反しているのなら、授業料を免除されている生徒だけはずすのではなく、野球部全体を出場停止にするべきだと思います。5000校からの高校があるのですから、試合は十分に成り立つ。
特待生というのは、むかしは、勉強が格別よくできる、しかし、家が貧しくてアルバイトをしないと学業が続かない、そういう学生に与えられる、名誉ある資格でした。運動選手にそれが適用されていけない理由はなんにもない。
大学の選手がプロ野球チームから「食料費」名目で金をもらっていたのもとがめられましたね。貰った選手は「家計を助けるためだった」と釈明していましたが、よく分かります。所得税を払っていたのだろうか、という疑問は残りますが。
横浜高校には16人だかの野球特待生がいたという。それなら、松坂大輔はどうだったのだろう、と、野球ファンならだれでも思います。そういうところを、新聞は報道してもらいたい。