四つの最後の歌 | パパ・パパゲーノ

四つの最後の歌

  「四つの最後の歌」は、リヒャルト・シュトラウス最晩年(1948)のオーケストラ伴奏の歌曲ですね。初演は1950年だそうです。フルトヴェングラー指揮、ソプラノ、キルステン・フラグスタート。私が生まれてからできたのです。それなのに押しも押されもせぬ古典的名曲です。複雑な心境です。

  最初の3曲がヘッセの詩、1つがアイヒェンドルフの詩、に作曲したもの。

 

  レコードになった歌手の数も10人を下らない。いずれも当代の人気ソプラノが録音しています。


  私が聞いたのは、聞いた順に次の4人。


  ジェシー・ノーマン

  エリザベート・シュワルツコプフ

  ルチア・ポップ

  フェリシティー・ロット


  グンドラ・ヤノヴィッツのものは、聞きたいと思いながらまだです。ルネ・フレミングのもまだ。

 

  聞き比べたくなる曲なのですね。

  作曲者は初演を聞かずになくなっています。 

  流れる曲は、静謐な、生の賛歌というべきものなのに、ふちどりに死のかげが寄り添っているおもむきがあります。

そう思うせいか、録音の半年後に亡くなったという、ルチア・ポップの歌声が心に残ります。シュワルツコプフも素晴らしい。ジェシー・ノーマンの地響きをたてるような重厚さも捨てがたい。フェリシティー・ロットの声は優しさにあふれています。