「…する人」を示す造語成分
「造語成分」という術語は「複合語の材料になる語」のことをさしますね。実例を見たほうが分かりやすい。
「…する人」「…の職業に従事する人」を指す接尾語は、次のようにたくさんあります。番号は参照のために仮につけたもの。
①~者(しゃ・じゃ):学者・忍者・役者・患者・作者・読者、など。
②~人(じん・にん):詩人・才人・商人・後見人・被告人、など。
③~師(し・じ):看護師・手配師・詐欺師・薬師(くすし)・陰陽師、など。
④~手(て・しゅ):働き手・読み手・話し手、歌手・運転手・三塁手、など。
⑤~家(か):音楽家・政治家・落語家・作家・専門家、など。
⑥~屋(や):気取り屋・凝り屋・周旋屋・両替屋・古道具屋、など。
⑦~夫(ふ):鉱夫・車夫・水夫、など。
⑧~婦(ふ・ぷ):保健婦・助産婦、など。 [「看護婦」は、今では、ご承知の通り、使いません]
⑨~士(し):栄養士・会計士・税理士、など
複数の成分が使えて、ほぼ同じ意味になることもあります。
医者―医師/弁護士―弁護人/犯罪者―犯罪人、など。
同じようなのに、意味が違ってしまうものもある。
芸者―芸人/死者―死人、など。
何か法則があるか、ときどき考えるのですが、あるようなないような。どなたか、解明してくださいませんか。
なお、ここにあげた例は、主として、北原保雄編『日本語逆引き辞典』(大修館書店)から拾ったものです。ながめているだけでワクワクしてくる辞書ですよ。