テノールの歌い手たち | パパ・パパゲーノ

テノールの歌い手たち

 三大テノール(ドミンゴ、パヴァロッティ、カレーラス)たちが、往年の輝きを消しつつあります。年なんだから止むをえません。ドミンゴなんて、出ずっぱりでしたから、もう休んでもだれも文句は言わないと思う。

 

 彼らにとって代わるテノールもたくさん出ているようです。3人込みでなくともよいわけです。


 現役のテナーで注目しているのは、次の人々。


 まずは、アンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)。盲目のテノールですね。なのに、そばに来た若い娘が、ブロンドだと言い当てたのをテレビで見たことがあります。軽めの伸びのいい声が素敵ですね。


 アレッサンドロ・サフィーナ(Alessandro Safina)という若手(といってもボチェッリと同じ年格好)もいいです。『メリー・ウィドウ』のダニーロをイタリア語で歌うのを見たことがある。どちらかと言えば、高い声も出るバリトン歌手といった印象でした。ドミンゴもそうですよね。古い友人のカザト君は、大胆にも、ドミンゴに直接そう言ったことがあるそうです。


 ラッセル・ワトソン(Russel Watson)は、サッカーのワールド・カップ(?)の開会式で、「誰も寝てはならぬ」(荒川静香が使って有名になったあの曲)を歌っていちやく名をあげた歌手。わりと小柄で、やんちゃ坊主の雰囲気を残していました。2年ほど前、オーチャード・ホールのリサイタルを聞きました。


 かつてのテノールで、記憶しておきたい歌手たち。


 マリオ・デル・モナコ:トランペットのような輝かしい声。カヴァラドッシはこの人のが一番好きです。

 

 アルフレード・クラウス:おでこに小さい穴があると思って、そこから声を出すように、と若いテナーたちに教えているのだそうです。コロラトゥーラというのは、テノールにも言うそうですが、その典型みたいな声を出す。


 カルロ・ベルゴンツィ:『ラ・ボエーム』のロドルフォがなんともよかった。


 ペーター・シュライヤー:ドイツ人のテノールも何人も聞きましたが、知的な響きがぬきんでている歌手です。


 まだまだいるけど、とりあえず以上。