Am I looking at Mount Fuji? | パパ・パパゲーノ

Am I looking at Mount Fuji?

 小西友七先生は、新幹線が静岡県を通過中、富士山が見えたときに、隣り合わせたアメリカ人(?)にこう聞かれたことがあるそうです。


 Am I looking at Mount Fuji?


先生にとっても印象深い表現だったらしい。この話は T さんが教えてくれました。

 Yes, you are. とお答えになったのでしょうね。

 

 一度は使ってみたいと思って、あるとき、バスで空港に行くとき、一緒に乗ったアメリカ人の高校生の少女に、


 Are we going to the airport?


と聞いたら、ヘンなおじさん、みたいな無言の表情が帰ってきただけでした。慣れない」ことはするものではありませんね。


 小西先生は、神戸市外国語大学名誉教授でした。去年亡くなられました。『ジーニアス英和辞典』の編集主幹だった方です。


 毛利可信という英語学の大家がいらっしゃいました。「もうり よしのぶ」とお読みします。大阪大学名誉教授でした。この先生も2001年になくなりました。

 十何年か前の英語学会か言語学会の講演でお話しになったエピソードが面白かった。


 最初の赴任先は九州大学だった。主任教授に伴われて、同僚になる先生方に挨拶回りをします。

 一心にタイプライターをたたいていた、イギリス人の先生に、主任教授は毛利講師をこんなふうに紹介されたのだそうです。


 「彼は将来有望な言語学者(linguist)ですよ」


 恐縮しかけた若い講師の顔も見ないで、そのイギリス人は、タイプの手を止めずに、


 , which I'm sure I'm not. (「私はまったくそうじゃない」という意味でしょうね。)


 関係代名詞の非限定(継続)用法の見事な例だった、とおっしゃっていました。こっちの表現は使ってみたいと思っても、私には無理ですが。