レニー・ゼルウィガー | パパ・パパゲーノ

レニー・ゼルウィガー

 『コールドマウンテン』はご覧になりましたか? ニコール・キッドマンが、かつて一度キスをしただけのジュード・ロウをひたすら待つという、いまどきめずらしいストーリーでした。ジュードは南北戦争にでかけた兵士で、脱走して(だったと思う)、恋人の待つふるさとに歩いて帰ることになります。ロードムービーのジャンルにはいるのでしょうね。途中で、ナタリー・ポートマン演ずる若いお母さんを助けてやったりする。ナタリーは、『レオン』に出たあの少女ですが、美しく成長しました。


 さて、ニコールの生活を助ける役の農婦を、レニー・ゼルウィガーが演じています。『ブリジット・ジョーンズ』の、こましゃくれたようなかわいらしさは微塵も出さずに、野太い、頼りがいのあるお姉さんになりきっています。「父帰る」の父のような、だらしないおとっつぁんにも悪態をつきながらもやさしくしてやったり、隠していたイロケをちょっとのぞかせたりもします。


 レニーの、今にも泣き出しそうな顔が邪魔になるときもありますが、はまり役を得たときの表現力は一頭地を抜いています。最近では、ラッセル・クロウの奥さんを演じた『シンデレラ・マン』がそうでした。ハリウッド映画の人情ものも、私の好きなジャンルのひとつです。